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冷めやらぬ八ヶ岳の余韻に揺られ③ [非日常]

どーんと受け止めてやるぜ。
いつでもかかってきな。
後方の八ヶ岳、前方の富士山、右前方の南アルプス、
それぞれの領袖である山ドンがそう語っていたんじゃないかと
思う。

私が清里の清泉寮を好きな理由が、少しわかった気が
している。
宿泊を終えて、東京に帰ってきて、1週間、今になって
相手が森だったり、山だったり、真っ暗な暗闇の中の
星々だったり、到底というか心底人間がかなう相手で
ないものと対峙している土地だから
かなわぬものの前には、頭をたれるしかないなと
いう気になるのだと思う。

かなわぬものを前にしたあきらめ、
いや違う、かなわぬものの前だからこそ
素直になれるというか純粋な気持ちになれると
いうか、そこが根本的に都会と違うんだなと。

夏の八ヶ岳、海抜1500m付近は、都会からの避暑地には
最適、つまり、楽して暮らせる感じがする。
だが、冬の海抜1500mは、都会のたるみきった身体には
相当堪える。
避暑地なんかの余韻というか、影はあとかたもなくなり、
夜空遠くからは零下の風が吹き抜けることとなる。
普通だったら、この季節はこの地からの逃避を
考えてしまうだろう。
つまり、相当、この土地が好きでないと、まず耐えられない。
でもこの土地が好きだと、
この土地が好きだと、夏より、やっぱり冬なんだと思う。
この寒さと、その寒さの中から
ひょっこり顔を出す、ぽかぽか陽気の中で陽炎のように
見える富士山とか南アルプスとか(私はこの南アルプスの
シャープさが好き)くっきりクリアー度120%なんかの八ヶ岳
もう、こたえられない。
そういえば、風草屋のご主人は、冬もいいですねの問いかけに
たぶんあったりめーだろうという気持ちは腹の底に押しとどめて
やさしい感じで「そうでしょう、冬がいいんですよ」と
言っていたっけ。

冬は寒ければ寒い程、人間の心を温かくするんじゃないかと
思う。内からも、外からも、その祝福を(山ドンから)受けて。
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