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KOZO氏 [本]

いま非常に注目している作家が稲泉連氏だ。
そのきっかけとなったのは、
氏の著書
ぼくもいくさに征くのだけれど -竹内浩三の詩と死ー
である。何年か前の新聞の書評がきっかけだ。
氏は本書で第36回大宅壮一ノンフィクション賞を史上最年少で受賞された。


稲泉氏は先の戦争でフィリピンで戦死した竹内氏と同じ23歳のとき、
この本を書いた。
浩三氏のみずみずしい詩や、エピソードをわかりやすく、念入りな取材を
もとに描き上げた書である。是非このブログを見た方々にご一読
いただきたい。

最近ふとしたきっかけで、本書を再読した。
何度も読み直す本と出会えることはそうない。
他のKOZO氏に関する本などを見ても、
以下の詩でいつも立ち止まる。

ーぼくもいくさに征くのだけれどー

街はいくさがたりであふれ
どこへいっても征くはなし か(勝)ったはなし

三ヶ月もたてばぼくも征くのだけれど
だけど こうしてぼんやりしている

ぼくがいくさに征ったなら
一体ぼくはなにするだろう てがらたてるかな

だれもかれもおとこならみんな征く
ぼくも征くのだけれど 征くのだけれど

なんにもできず
蝶をとったり 子供とあそんだり
うっかりして戦死するかしら

そんなまぬけなぼくなので
どうか人なみにいくさができますよう
成田山に願かけた


この詩はKOZO氏を知る上で、もっとも氏のひととなりを
的確に表していると感じる。

昨日購入したKOZO氏を長年紹介されている小林察氏の
竹内浩三詩文集
戦争に断ち切られた青春

の解説にも、小林氏がいままで考えてこられたKOZO氏のことが書き記されて
いて大変興味深い。

尊敬する人は?と
人に聞かれたなら、私なら
南方熊楠、星野道夫とこたえると思う。
最近は多分、加えて竹内浩三とこたえるかな?

Jr.も詩がわかるような年になったら、KOZO氏のことを
話してあげるつもりだ。

ピュアなことば、思いをもち、
戦争は、悪の豪華版であると、心から憎み、戦いに散った
青年がいたことを


ぼくもいくさに征くのだけれど―竹内浩三の詩と死 (中公文庫)



竹内浩三詩文集―戦争に断ち切られた青春 (風の道文庫)


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yongo

印象的な詩ですね…
by yongo (2010-06-10 21:07) 

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