おとなの時間 こどもの時間

大人はダメである。
すぐ結論を出したがる。

先日、仕事で子役に演技してもらった。
緊張していたのか、監督の指示に首を横に振り、
「できない」の素ぶり。

そこで私は考えた。
オーディションで、きちんと演技してもらうことは伝えたのか。
このままでは、ひとつひとつの演技に途方もない時間が
かかる。代役の検討まで勝手に頭で考えていた。

しかしどうだろう。
そのうちに、子供も慣れ、緊張が解けた表情になり、
ひとつひとつの演技をこなしていった。

最後は、この冬一番の寒さの中、ビルの屋上で
ブルブル震えながらも、凍てつく寒さの中、
半袖でしっかり演技をしてくれた。

演技終了時に、スタッフも温かい拍手を
心から贈っていた。

人には、まして子供にはこどもの時間がながれ、
うちとけるまでに時間がかかる。

しょっぱなの雰囲気で、先を思いやってしまった
自分が恥ずかしい。

本当に彼は、その小さい身体で精一杯がんばってくれた。